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中山道ハイキング:野尻宿から須原宿へ|観光地化されていない木曽谷8kmルート

「日本に来たら田舎で山を眺めながら、のんびりとハイキングや街歩きを楽しみたい。」そんな人におすすめしたいのが中山道です。中山道は江戸時代に今の東京と京都を結んだ街道の一つで、山間部を通る風光明媚なルートとして知られています。ルートのいくつかに途中で下宿するための宿場町があります。今回は、宿場町の1つである野尻宿と須原宿の間を歩いてきました。

「これが本当の日本の田舎なんだ」。野尻宿に降り立った瞬間、思わずそう呟きました。両側から迫る木曽の山々、谷間に広がる田んぼ、点在する民家。妻籠宿や馬籠宿のような観光地の賑わいとは違う、地元の人が普通に暮らしている景色がここにありました。

Nakasendo trail hiking
Nakasendo trail hiking

野尻宿から須原宿までは約8km。線路沿いを歩き、田んぼの中を通り、木曽川に沿って進む道のり。妻籠宿や馬籠宿と比べて歩く人も少なく閑散としています。それがかえって良かったんです。JR中央本線の列車が時々通り過ぎ、田んぼでは地元の人が農作業をしている。観光地化されていない、ありのままの木曽谷がここにありました。

中山道:野尻宿から須原宿への8kmの道

中山道の野尻宿から須原宿へのルートは、ほとんどが平坦な道です。山道というより、線路沿いや田んぼの中を歩く、のんびりとした田舎道散策。周りを囲む木曽の山々を眺めながら、マイナスイオンたっぷりの空気を吸って歩く。時々通り過ぎる列車を眺め、田んぼで作業する人に挨拶する。それだけで心が洗われるような時間です。

道路も舗装されていますので非常に歩きやすいです。スニーカーで十分でした。

項目

詳細

距離

約8km

所要時間

2時間30分~3時間

難易度

初級(ほぼ平坦、舗装道路)

ベストシーズン

4~5月(新緑)、10~11月(紅葉)

Nojiri-Juku (野尻宿)
Nojiri-Juku (野尻宿)
線路沿いの道と遠くの山々
線路沿いの道と遠くの山々
木曽谷の周りの山々、田舎の集落
木曽谷の周りの山々、田舎の集落

野尻宿:七曲りと山に抱かれた宿場町

今回の中山道のルートのスタート地点は野尻宿。JR中央本線を使い野尻駅から散策を始めました。

Nojiri Station (JR Chuo Main Line)
Nojiri Station (JR Chuo Main Line)

駅を出るとすぐに野尻宿の街並みが現れます。

野尻宿は昭和18年の大火で多くの建物が焼失しましたが、道の構造は江戸時代のまま。伝統的な木造建築と新しい家が混在していますが、それがかえって「生きている宿場町」の雰囲気を作り出しています。

野尻宿の特徴は「七曲り」と呼ばれる曲がりくねった道。外敵の侵入を防ぐために、わざと道を曲げて視界を遮る構造になっています。クネクネと曲がりながらゴールの須原宿を目指します。

Nojiri-Juku
Nojiri-Juku

立ち寄りたい:阿寺渓谷の「阿寺ブルー」

野尻宿から徒歩約20分のところにある阿寺渓谷。「阿寺ブルー」と呼ばれるエメラルドグリーンの清流は、木曽路を訪れたら必ず見てほしい絶景スポットです。

全長約15kmの渓谷には、狸ヶ淵、犬帰りの淵など、野生動物にまつわる伝承が残る名所が点在。川の透明度が高く、川底まではっきり見えます。晴れた日の翌日は特に美しく、エメラルドグリーンが際立ちます。ぜひ一緒に立ち寄ってみてください。

野尻宿から須原宿へ:線路に沿って歩く旅

野尻宿を出ると、中山道はJR中央本線の線路に沿って進んでいきます。地面も舗装されていてとても楽に歩くことができました。

Nakasendo from Nojiri-juku to Suhara-juku
Nakasendo from Nojiri-juku to Suhara-juku

途中、木曽川の反対側に赤レンガ造の建物が見えてきます。これは木曽川の豊富な水量を利用した水力発電所です。日本は山が多く、急峻な川が多いため、いろいろな所に水力発電所があります。

Kiso River Hydroelectric Power Station
Kiso River Hydroelectric Power Station

道の駅大桑:休憩スポット

大桑発電所を過ぎて、更に歩いていくと幹線道路の国道19号に入ります。そこから3分ほど歩くと道の駅大桑が見えてきます。木曽桧で造られた広い館内には、地元の特産品や軽食コーナー、本格的な木曽牛レストランがあります。

道の駅大桑
道の駅大桑

施設情報

  • 営業時間: 9:00〜18:00

  • レストラン: 11:30〜20:00(木曜と年末年始はお休み)

  • 駐車場: 無料

木曽谷の自然あふれる景色へ

道の駅を過ぎると、国道から離れて再び中山道の古い道に入っていきます。そして、しばらく歩くと道は田んぼや畑が左右に広がる自然あふれる木曽谷の峠道に入っていきます。都会の喧騒から離れて時間がゆっくりとする田舎でもお散歩を楽しむ。こういう何気ない瞬間が、日本の田舎の良さを実感させてくれます。

A rural village in the Kiso Valley
A rural village in the Kiso Valley
A rural village in the Kiso Valley
A rural village in the Kiso Valley

岩出観音:長野の清水寺

須原宿に近づくと、岩出観音への案内看板が見えてきます。中山道から約100m右手に入ったところにある小さな観音堂ですが、必ず立ち寄ってほしい場所です。

岩出観音
岩出観音

京都の清水寺と同じ「懸造(かけづくり)」と呼ばれる建築様式で、崖にせり出すように建てられています。木の柱が何本も崖から突き出し、その上に観音堂が載っている姿は圧巻。

私が訪れたのは紅葉前の10月中旬。紅葉の時期に行くと観音堂と色づいた木々のコントラストが素晴らしいそうです。

Kiyomizu Temple in Kyoto
Kiyomizu Temple in Kyoto

須原宿:水舟が点在する宿場町

岩出観音から15分ほどで目的地である須原宿に到着します。こちらも建物の建て替えが進んでいますが、歩いていると当時の宿場町の面影を感じることができます。

Suhara-Juku
Suhara-Juku

須原宿の見どころの一つが定勝寺。山門、本堂、庫裏が国の重要文化財に指定されています。静かな佇まいの中に、歴史の重みを感じる建築物です。

Josho-ji Temple
Josho-ji Temple
Josho-ji Temple
Josho-ji Temple

アクセス

ここからは中山道の野尻宿と須原宿を歩くときの行き方をご紹介します。

電車でのアクセス

野尻駅と須原駅はどちらも木曽谷にあるJR中央本線の駅で、宿場町から徒歩数分の距離にあります。私たちは、行きは野尻駅、帰りは須原駅にしました。反対のルートでも特に問題ないと思います。

なお、東京から木曽谷への行き方は下の記事をご覧ください。

  • 電車の本数: JR中央本線は1〜2時間に1本程度の運行です。特に夕方以降は本数が少なくなるので、事前に時刻表を確認してください。

持ち物と注意事項

  • 国道沿いを歩く区間があるため、車に注意

  • 野尻駅・須原駅周辺には商店が少ないため、飲み物は事前に準備

  • トイレ: 野尻駅、道の駅大桑、須原駅

中山道のルートはGoogle Mapsが安心

所々に中山道の案内標識が設置されているものの、それでも馬籠峠に比べると案内板が少なめ。私たちはGoogle Mapsを見ながら歩きました。Google Mapsで「Old Nakasendo」と書かれているのが、昔の中山道です。

Old Nakasendo Route (Google Maps)
Old Nakasendo Route (Google Maps)

長野県の木曽の森と暮らす旅

野尻宿から須原宿への道のりは派手さはありませんが、それこそが魅力です。木曽の山々に抱かれた深い谷間を歩き、地元の人々が守り続けてきた宿場町を訪れる。これは、観光地では決して味わえない、本物の日本の田舎との出会いです。

妻籠宿や馬籠宿を訪れたら、ぜひこのルートも歩いてみてください。時間に余裕があれば、阿寺渓谷と組み合わせるのもおすすめ。エメラルドグリーンの清流「阿寺ブルー」と、宿場町の静寂。木曽の自然と歴史を満喫できる一日になるはずです。