北八ヶ岳ロープウェイと坪庭|標高2,237mの高山散歩
標高2,237m。夏の平地がどれだけ暑くても、ここまで上がれば空気は別物です。北八ヶ岳ロープウェイは、大型のゴンドラで山麓駅から山頂駅までをわずか7分で結び、降りた先には「坪庭(つぼにわ)」と呼ばれる溶岩台地の自然園が広がります。周回路は1周30〜40分。登山装備は必要なく、足元はスニーカーで大丈夫です。ただし夏でも山頂は涼しいので、羽織れる長袖を1枚だけ持っていきましょう。茅野駅からの往復を含めて日帰り圏、半日あれば十分楽しめます。

「日本の高い山を歩いてみたいけれど、本格的な登山はハードルが高い」——そんな人にこそ勧めたい場所です。一年中暑い地域から来る旅行者にとっては、この標高の涼しさはそれ自体がひとつの観光体験になります。この記事は2026年8月下旬の実体験に基づいています。
ゴンドラで7分、坪庭への空中散歩
北八ヶ岳ロープウェイのゴンドラは一度に100人が乗れる大型タイプ。乗車時間は約7分で、窓の外には針葉樹の森が広がり、振り返ると麓の景色がどんどん遠ざかっていきます。あっという間に、歩けば何時間もかかる高さまで運んでくれます。


うれしいニュースをひとつ。北八ヶ岳ロープウェイは2027年に開業60周年を迎え、山麓駅には「2027年7月 ゴンドラリニューアル」の案内が出ていました。真っ赤な新型ゴンドラのお披露目が今から楽しみです。


チケットの買い方(4ステップ)
切符の購入はシンプルです。窓口での対面販売なので、次の流れを覚えておけば迷いません。
1. 山麓駅の切符売り場へ。 駅舎に入ると切符売り場の窓口があります。窓口まわりに料金の案内板が出ているので、まず金額を確認しましょう。
2. 往復か片道かを選ぶ。 坪庭を一周してロープウェイで戻るなら「往復」が基本です。片道は、山頂側から登山道を歩いて下る予定のある人向けです。
3. 乗車券を受け取る。 窓口で支払いを済ませ、乗車券を受け取ります。
4. 改札へ進む。 駅舎内に発車時刻の案内板があります。時刻表は「毎時◯分発」が並ぶ形式で、一定の間隔で運行されています。間隔や始発・最終の時刻は時期によって変わるため、当日の掲示を必ず確認してください。
トイレは乗車前に山麓駅で済ませておくのが基本です。山頂駅にもありますが、山の上の施設なので、基本は山麓で・山頂は緊急時用、と考えておくと安心です。
料金と運行時刻は季節により変わります。訪問前に公式の最新案内を確認してください。


坪庭を一周する(30〜40分)
山頂駅を出ると、目の前が坪庭の入口です。かつての噴火が生んだ溶岩台地に周回路が整備されていて、1周30〜40分。ごつごつした奇岩の間を、地を這うように広がるハイマツの緑が埋め、視界が開ける場所では遠くの山並みまで見渡せます。



道は岩がちな箇所もありますが、よく整備されており、スニーカーで十分歩けます。ただしヒールやサンダルは不向きです。標高2,237mの高山らしい風景を、これだけ気軽に歩ける場所は多くありません。

高山なので天候は変わりやすく、雲がかかると眺望は消えます。狙い目は晴れ予報の日の午前中です。
余裕があれば、苔の森へ一歩
八ヶ岳は日本有数の「苔の森」としても知られています。坪庭からさらに足を延ばすと、苔むした岩と針葉樹に覆われた深い森の雰囲気に出会えます。時間や体力に余裕がなければ、森の入口で一歩だけ踏み込んでみるのでも十分。緑一色の静かな世界は、坪庭の開けた溶岩台地とはまったく別の表情です。本格的に森を歩く場合は、登山向けの装備と計画を用意してください。


山の食事——そばは麓で、山頂はカフェでひと休み
しっかり食事をとるなら山麓駅です。食事処があり、今回は温かい山菜そばを食べました。標高1,700mの山麓でも空気はひんやりしているので、温かいそばがよく体に染みます。

山頂駅には売店を兼ねたカフェがあり、アイスクリームやコーヒーなどのドリンクで休憩できます。本格的な食事は麓で、山頂では景色を眺めながら軽くひと休み——という使い分けが目安です。山麓駅にはパン屋もあり、帰りの待ち時間に立ち寄るのにちょうどよく、行動食やおみやげ代わりにもなります。

アクセス:茅野駅からバスで
最寄りの鉄道駅はJR中央本線の茅野(ちの)駅で、そこからロープウェイの山麓駅までバスが出ています。
東京方面からは、新宿発の特急「あずさ」で茅野へ向かうのが定番ルートです。乗り方や座席の予約については特急あずさの乗り方ガイドで詳しく解説しています。JRの特急を使う旅程なら、ジャパン・レール・パスが使えるかどうかも合わせてチェックしておくと交通費を抑えられます。
