立山黒部アルペンルートのきっぷの買い方・乗り方 完全ガイド
立山黒部アルペンルートは、長野県側の扇沢と富山県側の立山駅を、電気バス・ケーブルカー・ロープウェイ・高原バスなど複数の乗り物で乗り継いで越える山岳観光ルートです。乗り物が多いぶん「きっぷはどこで、どう買うのか」「乗り換えのたびに何をするのか」が初めての人には分かりにくく、特に海外からの旅行者がいちばん不安に感じるポイントです。

この記事では、2025年11月末に実際に乗車した経験をもとに、きっぷの買い方と乗り物の乗り方だけを1ステップずつ解説します。ルート全体の見どころは立山黒部アルペンルートの全体像、東京からのアクセスはアルペンルートへの行き方をご覧ください。
なお、アルペンルートは冬季は全線運休となり、営業は春から11月末までです(正確な日付は年により変わります)。
先に結論だけ。日程が決まっているならWEBきっぷ、当日決めるなら扇沢の窓口へ。買ったきっぷは立山駅(または扇沢)を出るまで手放さず、大きな荷物は回送サービスに預ける——この2つを守れば、乗り継ぎはとてもスムーズです。
まず整理:きっぷは「区間 × 片道/往復 × 買い方」の組み合わせ
きっぷ選びで迷わないコツは、次の3つを順番に決めることです。

1. どこからどこまで乗るか — 全線を通り抜ける「通し券」(例:扇沢→立山駅)か、途中までの「区間券」(例:黒部ダムまで)か。
2. 片道か往復か — 反対側へ抜けるなら片道、同じ側へ戻るなら往復。
3. いつ買うか — 事前にオンラインで買う「WEBきっぷ」か、当日窓口・券売機で買うか。
| きっぷ | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 通し券・片道 | 扇沢〜立山駅を全乗り物乗り継ぎで通り抜け | ルートを縦断する人(この記事の基本形) |
| 区間券 | 黒部ダムや室堂など途中の駅まで | ダム見学だけの人、同じ側に戻る日帰りの人 |
| 往復券 | 同じ区間を往復 | 拠点の宿に戻る人(設定区間は要確認) |
| WEBきっぷ | 事前にオンライン購入し、扇沢の専用発券機で受け取り | 日程が決まっている人、朝の行列を避けたい人 |
| 当日券 | 窓口・券売機でその場で購入 | 天気を見て当日決めたい人、区間券の人 |
WEBきっぷ(事前オンライン購入)の流れ
繁忙期の朝は、きっぷうりばに乗車待ちとは別の行列ができます。日程が固まっているなら、事前購入が確実です。

Step 1 — 出発前にオンラインで購入する。 公式のオンライン販売で、利用日と区間を指定して購入します。購入できる期間や変更・払い戻しの条件は購入時に必ず確認してください。

Step 2 — 当日、扇沢駅の専用発券機で受け取る。 WEBきっぷは窓口の列に並ばず、専用の発券機で紙のきっぷに引き換えます。購入時に受け取った確認情報(購入完了メールなど)をすぐ出せるようにしておくとスムーズです。
Step 3 — 発券されたきっぷを持って改札へ。 受け取ってしまえば、あとは当日券の人と同じ流れです。
当日購入の流れ
Step 1 — きっぷうりばへ行く。 扇沢駅にはきっぷうりばの窓口と券売機があります。朝の始発前後は列が長くなるので、時間に余裕を持って到着してください。

Step 2 — 運賃表で行き先の額を確認する。 きっぷうりば付近に掲げられた運賃表には、行き先の駅ごとに片道・往復の運賃が並んでいます。通し券なら反対側の終点(扇沢発なら「立山駅」)の欄を見ます。

Step 3 — 支払う。 窓口で行き先・片道か往復か・人数を伝えて支払います。クレジットカードなどの対応状況は窓口・券売機によって異なる可能性があるため、現金(日本円)もある程度用意しておくと安心です。

乗り方の作法:改札 → 整列 → 乗車
きっぷを持ってからの流れは、どの乗り物でも基本的に同じです。


1. 改札 — 出発時刻に合わせて改札が始まります。きっぷを係員に提示(または改札機に通す)して乗り場へ。
2. 整列 — 乗り場の列に並びます。先頭に近いほど、座席や窓際の位置を選べます。
3. 乗車 — 係員の案内に従って乗り込みます。発車間際は駆け込まず、次の便を待つ方が安全です。

きっぷは最後まで手放さないでください。 通し券は乗り換えのたびに同じ1枚を使います。ポケットやパスケースなど、毎回すぐ出せる場所に入れておくのがコツです。
荷物のルール: 車内は座席が中心のコンパクトな乗り物が多く、リュックは混雑時に前に抱えるなど、車内掲示のルールに従ってください。大型のスーツケースは持ち込みが難しい場面があるため、扇沢と立山駅の間で荷物だけを先に送れる荷物回送サービスの利用を検討してください(受付場所・料金・受付時間は要確認)。身軽になるだけで、乗り継ぎの快適さがまったく違います。
JRパス(ジャパン・レール・パス)は使える?
アルペンルート本体(扇沢〜立山駅)では使えません。 この区間の乗り物はJRの路線ではないため、ジャパン・レール・パスの対象外です。パスが使えるのは、扇沢や立山駅へ向かう手前のJR線区間までです。アクセスの詳細はアルペンルートへの行き方で解説しています。
乗り物別・乗車ワンポイント(扇沢→立山駅の順)
- 関電トンネル電気バス(扇沢〜黒部ダム): ほぼ全区間トンネル内。眺望よりも、早めに整列して座席を確保するのが優先です。
- 黒部ダム(徒歩区間): 乗り物ではありませんが、堰堤の上を歩いて次の駅へ渡る乗り継ぎ区間です。歩きやすい靴で。
- 黒部ケーブルカー(黒部湖〜黒部平): トンネル内を進むため車窓は期待せず、扉の近くに立つと乗り継ぎがスムーズです。
- 立山ロープウェイ(黒部平〜大観峰): 谷側(黒部湖を見下ろす側)の窓が特等席。列の前方に並んで窓際を取りましょう。
- 立山トンネル電気バス(大観峰〜室堂): 全線トンネルで眺望はありません。ここも座席確保を優先。
- 立山高原バス(室堂〜美女平): 車窓が主役の区間。前方の席ほど視界が開けます。
- 立山ケーブルカー(美女平〜立山駅): 最後の乗り物。急な傾斜に合わせた段差のある車内なので、乗り降りは足元に注意してください。