日本三大古泉:熱海の温泉「走り湯」
文・編集:Dynamic Japan Travel 編集チーム—監修:株式会社P-HAM(登録旅行業者・愛知県知事登録旅行業第3-1590号)
目次
日本の有名な温泉観光都市である熱海の中でも知る人ぞ知る穴場の1つ、「走り湯(はしりゆ)」。所要時間は行き帰りを含めて10分ほどなので、のんびり滞在の合間にサクッと立ち寄れる場所です。温泉の原点ともいえるこの貴重な自然現象を、ぜひ体験してみてください。
熱海の走り湯とは?- 全国でも珍しい横穴式温泉の神秘
熱海は1300年以上の歴史を持つ日本有数の温泉地です。その中でも走り湯は、全国でも極めて珍しい「横穴式温泉」として古くから知られています。この温泉は、日本の温泉文化の源流を辿ることができる貴重な場所なのです。
「走り湯(はしりゆ)」は、洞窟から横向きに勢いよく湧き出す全国でも珍しい温泉です。洞窟の奥行きはわずか数メートルですが、約70度のお湯が毎分170リットルの量で吹き出しています。そして、昔は山腹から湧き出た温泉が海岸へと飛ぶように流れ落ちていて、その様子から「走り湯」と名付けられました。
走り湯の入り口に辿り着くまでの間に、いくつか走り湯に関する説明の案内表示がありますが、すべて英語も併記されていました。外国人観光客への配慮がしっかりとなされており、安心して訪れることができます。
走り湯の地質学的メカニズム
この温泉が生まれる原理は、地球の自然の力によるものです。海水や雨水が地中に染み込み、この地域の火山の地熱で温められた結果、この場所から温泉として湧き出しています。伊豆半島は火山活動によって形成された地域で、豊富な地熱と水資源が走り湯のような自然現象を生み出しているのです。
なお、走り湯はこれらとは異なり、お湯に浸かることはできません。しかし、温泉の「生きた力」を間近で感じられる、まさに温泉体験の原点といえる場所です。
温泉と神社が織りなす熱海の魅力
走り湯の魅力は温泉そのものだけではありません。この場所では、日本古来の自然信仰と温泉文化が融合した、非常に興味深い文化的体験を楽しむことができます。温泉の力強い自然現象と、それを神聖視してきた日本人の精神性を同時に感じられる特別な場所なのです。
温泉の生命力
洞窟の入口に立つと、真っ白な湯けむりがレンズを曇らせ、ゴボゴボという湧出音が壁に反響します。手を伸ばせば届きそうな距離から熱風が吹きつけ、温泉の"生きた鼓動"を五感で感じられます。湯船はありませんが、「湯に浸かる以上の臨場感」がここにはあります。
実際に洞窟の口に近づいた瞬間、もわっとした熱気が襲ってきます。足を一歩踏み入れると、カメラ(スマホ)のレンズが一瞬で曇るほどの湯けむりに包まれます。まるでサウナのような暑さです。ゴボゴボと湯が湧き出す音が壁に反響し、脈打つように響く。まさに「温泉が生きている」と感じる瞬間です。
湯船はなく、入ることはできません。けれど、噴き出すお湯をこんな距離で見る体験は、一般的な温泉街ではまず味わえません。見学自体は3分で十分ですが、この短時間で日本の温泉文化の源流を体感できる貴重な経験となります。
走り湯神社 - 温泉と信仰の結びつき
源泉の真上には伊豆山神社と関連する走り湯神社(湯前神社)が鎮座しています。実は走り湯から熱海の伊豆山神社まで1本の参道で繋がっていて、温泉と信仰が結び付いた熱海の奥深さを実感できます。
この神社は小さいながらも、湯けむりを浴びて心身を清める場所として古くから大切にされてきました。日本の温泉文化では、温泉は単なる入浴施設ではなく、身体と心を清める神聖な場所として位置づけられており、走り湯神社はその象徴的な存在です。
洞窟を出て少し上に上がると、源泉を守る走り湯神社(湯前神社)がひっそりと鎮座しています。小さな社ですが、湯けむりを浴びて心身を清め、手を合わせると、不思議と気持ちが落ち着きます。
伊豆山神社への参拝路 - 837段の石階段
体力と時間に余裕があれば、走り湯神社から伊豆山神社へと続く837段の石階段に挑戦してみてください。この参道は古くから多くの参拝者が歩いた歴史ある道で、温泉と信仰が一本の道で結ばれている、日本独特の文化的景観を体験できます。
ただし、この石階段は伊豆山神社までずっと登ることとになります。かなりの体力を要するため、時間と体調を考慮して挑戦してください。伊豆山神社の場所は下のGoogle Mapsをご覧ください。
https://maps.app.goo.gl/KVogCK4cgmbYnZG26
https://maps.app.goo.gl/J7EXsGXTLgE17Wkt9
熱海温泉街から走り湯へのアクセス
走り湯は熱海駅から比較的近い場所にありますが、いくつかのアクセス方法があります。それぞれにメリット・デメリットがありますので、旅行スタイルや体力、予算に応じて最適な方法を選んでください。以下で各アクセス方法を詳しくご紹介します。
最も便利なタクシーでのアクセス
JR熱海駅前のタクシー乗り場から「走り湯まで」と告げれば約5分、料金は片道1,000円弱です。運転手に「3〜5分待ってください」と頼めば、洞窟を見学してすぐに戻ることができます。多くのタクシー運転手は走り湯について詳しく、興味深い説明をしてくれることもあります。
実際に熱海駅前でタクシーに乗ったところ、わずか5分で到着しました。運転手さんは走り湯の歴史について詳しく説明してくださり、待っている間も興味深い話を聞かせてくれました。このような地元の方との交流も、走り湯訪問の楽しみの一つです。
バスでのアクセス
もちろん、熱海市を走る路線バスでも行けます。走り湯の最寄りのバス停は「伊豆山中央(いずさんちゅうおう)」になります。下のGoogle Mapsの場所です。このバス停から徒歩5分ほどで走り湯に辿り着けます。
https://maps.app.goo.gl/Li89L6tmmH1oD1BMA
徒歩でのアクセス(上級者向け)
熱海駅から徒歩で向かう場合の所要時間は25分ほどですが、熱海は急坂が多い地域ですので、体力に自信のある方以外にはお勧めできません。ただし、歩いて向かう道中では熱海の温泉街の雰囲気を存分に味わうことができます。
車でのアクセスと駐車について
レンタカーで向かうこともできますが、専用駐車場はありません。ただし、地元の方によると短時間なら路上駐車しても問題ないとのことです。私がタクシーで訪れた時も、運転手さんは近くに路上駐車して、降りてきて詳しい説明をしてくれました。
熱海の走り湯の基本情報(2025年7月現在)
営業時間:24時間見学可(照明はありません。夜間は足元注意)
入場料:無料
所要時間:洞窟内の見学は3〜5分程度
駐車場:専用なし(タクシー待機/短時間路上停車が一般的)
注意点:湯舟はなく「見る温泉」です。蒸気でカメラや眼鏡が曇るのでタオルがあると便利
https://maps.app.goo.gl/ZszNo8FQXYqojMZN6











