国宝犬山城|日本最古級の木造天守を登る
文・編集:Dynamic Japan Travel 編集チーム—監修:株式会社P-HAM(登録旅行業者・愛知県知事登録旅行業第3-1590号)
目次
犬山城は、日本でたった5つしかない「国宝」の天守を持つ城のひとつです。約440年前に伐採された木材が多く残る本物の木造建築で、エレベーターも現代的な設備もありません。急な木の階段を自分の足で登り、戦国時代の武将たちと同じ景色を見る——そんな本物の日本の城を体験できる、とても貴重な場所です。名古屋から電車で約30分、城下町を散策しながら歩くこと約20分で、小高い山の上に建つ天守にたどり着けます。
犬山城が特別な理由
犬山城は日本の「国宝」に指定されています。国宝とは、日本政府が「特に大切だから絶対に守ろう」と決めた建物や美術品のこと。日本には何百もの城がありますが、天守(城の一番高い建物)が国宝になっているのは、たった5つだけ。犬山城はその貴重な5つの城の一つです。

本物の木造建築が残っている
日本の城の多くは、戦争や火事で焼けてしまい、後からコンクリートで建て直されました。でも犬山城は違います。約500年前に木で建てられた本物の建物が、今もそのまま残っているのです。こうした「本物」の天守が残っている城は、日本全国でたった12しかありません。
440年前の木がまだ使われている
2021年、名古屋工業大学と奈良文化財研究所が年輪年代測定という方法で調査した結果、犬山城に使われている木は1585〜1588年に切られたものだとわかりました。つまり、あなたが触れる柱や床は、約440年前から存在しているのです。こんなに古い木造建築に実際に入れるのは、とても珍しい体験です。
「白帝城」という美しいニックネーム
犬山城には「白帝城(はくていじょう)」という別名があります。川沿いの丘に立つ白い城の姿が、中国の有名な城に似ていたことから、この名前がつけられました。
天守の見どころ
犬山城の天守は4階建てで、高さは約24メートル。小高い山の上に建っているので、階段を登っていくと少しずつ天守が大きく見えてきます。「いよいよお城だ!」というワクワク感が高まります。
注意:天守内の階段はとても急です!
天守内の階段は約60度の急勾配で、ほぼハシゴのような角度です。戦国時代、敵が簡単に上の階へ攻め込めないよう、わざと急な階段が設けられていました。手すりにつかまりながら、一段一段慎重に登りましょう。
1階から最上階まで、すべての階段がこのような急勾配になっています。階段を登る際は両手が使えるよう、荷物は小さめのリュックやショルダーバッグが便利です。エレベーターはありません。

本丸広場と紅葉
天守のふもとに広がる本丸広場は、四季折々の風景が楽しめる憩いの場です。私たちが訪れた秋には、色づいた紅葉が天守を美しく彩っていました。広場には赤い縁台(休憩用のベンチ)が置かれており、天守を見上げながらひと休みできます。
春は約400本の桜が城山一帯に咲き誇り、秋は紅葉に包まれます。天守を見上げながら季節の風景を楽しめるのも、犬山城の魅力です。

天守内部を探検しよう
天守に入ると、まず目に飛び込んでくるのが年季の入った木の床と太い柱です。歴史の傷跡を刻みながら年を経た木の温かみを肌で感じられます。歩くたびに床がきしむ音が響き、440年の時を超えてタイムスリップしたような感覚になります。

天守内には甲冑(武士が着た鎧)が展示されています。江戸時代に城主だった成瀬家ゆかりのものと考えられています。ガラスケースの中に並ぶ甲冑を眺めながら、かつてこの城を守った武士たちの姿を想像できます。

石落しの間
天守の1階には「石落しの間(いしおとしのま)」という興味深い場所があります。床の一部が開閉式になっており、そこから石垣をよじ登ってくる敵兵に石を落として攻撃できる仕組みです。説明板は日本語と英語の両方で書かれているので、外国人観光客にもわかりやすくなっています。

実際に石落しの窓から下を覗いてみると、足元に石垣が見えます。この角度から敵を攻撃していたのかと思うと、城の防衛機能を肌で感じられます。

最上階のバルコニーに出よう
犬山城の一番の魅力は、最上階にあるバルコニー(廻縁)です。外に出て城の周りをぐるっと一周でき、360度の景色を楽しめます。このバルコニーに出られる城は、日本でも犬山城と高知城だけ。とても貴重な体験です。

息をのむ木曽川の絶景
天守のバルコニーから見る木曽川の景色は圧巻です。眼下に広がる青い川面、対岸の各務原市の街並み、そして遠くに連なる山々。私たちが訪れた午後遅くには、夕日が川面を黄金色に染め、まるで絵画のような美しさでした。

反対側に目を向けると、本丸広場と城下町、そして濃尾平野が一望できます。晴れた日には遠くの山まで見渡せ、この城がなぜこの場所に建てられたのか、その戦略的な重要性がよくわかります。

夕暮れ時に訪れるのもおすすめです。太陽が山の向こうに沈む頃、木曽川が黄金色に輝き、幻想的な風景が広がります。最終入場は16:30なので、夕日を見たい方は午後の早い時間に到着するとよいでしょう。

入場料と営業時間
犬山城の入場料と営業時間は以下のとおりです。
入場料(2026年現在)
大人:550円
小中学生:110円
幼児:無料
2026年3月からの新料金:大人1,000円、小中学生200円に改定予定です。天守の防災設備改修など、文化財保護のための値上げとなります。
割引情報
犬山城下町きっぷ:名鉄の乗車券と入場券がセットでお得です。詳しくは下の記事をご覧ください。
営業時間
開館時間:9:00〜17:00(最終入場16:30)
休業日:12月29日〜31日
桜の季節やゴールデンウィークは、8:30から17:30に営業時間が延長されることがあります。
チケット売り場ではクレジットカードも利用できるので、現金を持っていなくても安心です。

入り口に犬山城のパンフレットがあります。もちろん、英語や中国語、韓国語などの多言語で用意されています。

混雑状況と対策
犬山城は人気の観光スポットのため、時期や時間帯によっては混雑します。快適に見学するためのポイントをご紹介します。
混雑する時期
土日祝日
桜のシーズン(3月下旬〜4月上旬)
紅葉のシーズン(11月)
ゴールデンウィーク・シルバーウィーク
混雑日は天守への入場に1〜2時間待ちになることもあり、連休中は3時間以上待つこともあります。
空いている時間帯
おすすめは朝9時の開館直後です。10時を過ぎると混み始め、12時〜15時が最も混雑します。平日であれば比較的スムーズに見学できます。
待ち時間はリアルタイムで犬山城公式ホームページで確認できます。予約制度はないため、混雑時は天守入口で待つことになります。

所要時間の目安
犬山城の見学にかかる時間の目安です。
犬山城のみ:30分〜1時間
犬山城+城下町:2〜3時間
犬山城+城下町+周辺スポット:半日〜1日
混雑時は待ち時間を加えて計画してください。城下町での食べ歩きも楽しむなら、3〜4時間は見ておくとよいでしょう。

アクセス方法
犬山城へは電車でのアクセスが便利です。名古屋駅から名鉄犬山線で約25分(特急・ミュースカイ利用)で犬山駅に到着します。犬山駅から犬山城までは徒歩で20分です。
おすすめルート:犬山駅から城下町を歩く
犬山駅西口から徒歩約20分のルートがおすすめです。駅を出たら本町交差点を右に曲がり、「本町通り」をまっすぐ進みます。江戸時代の面影を残す城下町の風情ある町並みを楽しみながら、食べ歩きスポットやカフェに立ち寄りながら城へ向かえます。
道は平坦でわかりやすく、迷う心配はありません。途中には三光稲荷神社の赤い鳥居が見えてくるので、そこが犬山城への登城口です。

タクシー
犬山駅西口からタクシーで約5分です。荷物が多い方や足に不安のある方はタクシー利用も便利です。犬山城と合わせて城下町散策もおすすめです。

基本情報
正式名称:国宝犬山城
住所:愛知県犬山市犬山北古券65-2
電話番号:0568-61-1711
営業時間:9:00〜17:00(最終入場16:30)
休業日:12月29日〜31日
入場料:大人550円(2026年3月より大人1,000円)
公式サイト:Inuyama Castle
https://maps.app.goo.gl/9YHHffkh76TWvCLq8











